田口アヤコです。
昭和50年うさぎ年うまれ、
はたらく大人女子に
ばしんとくる演劇をつくります。


COLLOLは「ころーる」とよみます。

王子小劇場での公演も3回目になりました。
COLLOL名作戯曲コラージュシリーズ第3弾
1月は オセローのシェイクスピアさん、
8月は 女中たちのジュネさん、
2007年3月は
宮澤賢治さんとお話することにしました。

岩手県出身、なので
宮澤賢治さんとはふかくふかく、
お話したく、たのしみです。
王子小劇場で、北にむかう、というのは
なかなかいいイメージです。

日々生きていて、
忘れたいことやわすれられないことや
捨てたいことやすてられないことや
埋めたいことや
もちつづけて生きているわけですが、
それでも、とりあえず明日まで、
いきのびるために

お芝居です。


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あのころはよかったなあ。
ぼくは学校から帰る途中たびたびカンパネルラのうちに寄った。
カンパネルラのうちにはアルコールランプで走る汽車があったんだ。
レールを七つ組み合せると円くなってそれに電柱や信号標もついていて信号標のあかりは汽車が通るときだけ青くなるようになっていたんだ。
いつかアルコールがなくなったとき石油をつかったら、罐がすっかり煤けたよ。
いまも毎朝新聞をまわしに行くよ。けれどもいつでも家中まだしぃんとしているからな。
ザウエルという犬がいるよ。しっぽがまるで箒のようだ。ぼくが行くと鼻を鳴らしてついてくるよ。
ずうっと町の角までついてくる。もっとついてくることもあるよ。
今夜はみんなで烏瓜のあかりを川へながしに行くんだって。
きっと犬もついて行くよ。

(宮澤賢治「銀河鉄道の夜」より)


演出家劇作家女優 田口アヤコ